<< 一覧に戻る

糖尿病とBrain Attack

脳血管性認知症と糖尿病

田中真希子佐古田三郎北川一夫

Diabetes Frontier Vol.20 No.5, 589-593, 2009

「はじめに」高齢者の脳機能障害をきたす最大の原因は脳卒中と認知症である. 認知症の成因は脳血管性認知症(vascular dementia:VD)とアルツハイマー病(Alzheimer's disease:AD)に大別され, 高齢者では両者が認知症全体の75~80%を占めている. 日本での65歳以上の高齢者における認知症の有病率は4~8%と報告されている. 日本の全人口における65歳以上の高齢者の割合は20%を超えており, 高齢化はさらに進むとされていることから, 認知症患者は今後急速に増加すると考えられる1). VDは, 脳血管障害が直接の原因となって発症する認知症である. 従来日本ではVDがADより多いとされていたが, 最近の報告では, 欧米と同様にADが最も頻度の高い認知症とされている. 糖尿病などの心血管危険因子の制御は脳卒中やVDの予防につながるため重要である. 一方, ADの危険因子としても糖尿病, 高血圧, 肥満や喫煙など, 心血管危険因子の関与を示唆する疫学研究の結果が集積しつつある.

記事本文はM-Review会員のみお読みいただけます。

メールアドレス

パスワード

M-Review会員にご登録いただくと、会員限定コンテンツの閲覧やメールマガジンなど様々な情報サービスをご利用いただけます。

新規会員登録

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る