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心臓核医学検査:糖尿病性心筋障害の核医学診断
掲載誌
Diabetes Frontier
Vol.20 No.5 525-529,
2009
著者名
片岡一明
記事体裁
連載
/
症例
/
全文記事
疾患領域
循環器
/
糖尿病
診療科目
一般内科
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循環器内科
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心臓血管外科
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糖尿病・代謝・内分泌科
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老年科
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小児科
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放射線科
媒体
Diabetes Frontier
「はじめに」糖尿病患者は, 非糖尿病患者に比し, 心不全発症のリスクが2~5倍になるとされている1). また, 一旦, 糖尿病患者が心不全を発症するとその死亡率は非糖尿病患者に比し, 高いとされている2). 糖尿病が心筋障害を起こす原因としては, 大きく冠動脈疾患とそれ以外の糖尿病性心筋障害(いわゆる糖尿病性心筋症)が存在する. その不良な生命予後のため, 糖尿病患者における早期の合併心疾患の診断と適切な治療が望まれる. 核医学検査とは, 体内に放射性同位元素(radioisotope:RI)を投与して臓器に特異的に集積したRIをガンマカメラで撮像し, 得られた画像から形態・機能を診断する検査であり, このうち心臓領域に利用されているものを心臓核医学検査と呼ぶ. 1974年に99mTc-PYPにより心筋梗塞巣の陽性描出ができることが証明され3), 1975年には201Tl静注後, その初期分布は局所心筋血流を反映することが4), また1977年には201Tlの再分布現象が心筋viabilityを評価できることが発見された5).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。