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肝と糖尿病

肝硬変に伴う耐糖能異常―その病態と治療―

坂口一彦

Diabetes Frontier Vol.18 No.5, 524-527, 2007

「はじめに」肝硬変とは種々の慢性肝疾患の終末像であり, 組織学的には線維化による正常肝構造の破壊と再生結節を特徴とする. 肝臓は多様な機能を有するため, その病像は多彩となる. 糖代謝においても肝臓は中枢的役割を担うことより, その高度な障害である肝硬変においては高率に耐糖能障害を合併することは容易に理解できる. すなわち肝硬変患者においては60~80%が耐糖能障害・高インスリン血症をきたし, 10~15%が糖尿病を発症する1)2). また肝硬変患者において糖尿病の合併は予後不良因子でもある3). 本稿では, 肝硬変に伴う糖代謝異常の病態・治療について述べる. I. 肝硬変状態における糖代謝異常の特徴 1 肝硬変状態の肝における糖代謝の特徴 肝硬変患者における初期の耐糖能異常の特徴は, (1)空腹時に比して食後の高血糖をきたしやすいこと, (2)高インスリン血症をきたしやすいことである(図1). 健常状態において, 肝臓は, 門脈から流入したブドウ糖を取り込みグリコーゲンとして蓄えるとともに, グリコーゲン分解をし, あるいは乳酸やアラニンなどを材料に糖新生を行い, 必要時に肝静脈を通じて大循環にブドウ糖を放出する.

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