<< 一覧に戻る

糖尿病性腎症治療の新しい展望

Ⅱ 新しい腎症治療薬の展望 PKC阻害薬

古家大祐

Diabetes Frontier Vol.17 No.4, 484-487, 2006

「はじめに」大規模臨床試験により, 厳格な血糖コントロールによって糖尿病腎症(腎症)の発症進展が抑制されることから, 腎症の成因として持続する高血糖が重要である1). 腎症の特徴は, 機能的変化としての糸球体過剰濾過やアルブミン尿と, 組織学的変化としての細胞外基質蛋白の増加による糸球体硬化, そして尿細管間質の線維化である. これまで, 多くの研究により, 高血糖により生じるプロテインキナーゼC(PKC)の活性化などの糖代謝異常, レニンアンジオテンシン系(renin-angiotensin system:RAS)の亢進の結果生じる糸球体高血圧, 終末糖化産物(advanced glycation endproducts ; AGEs)の蓄積, 酸化ストレスなどが単独, あるいは相互に作用し, 腎症の発症進展に関与していることが明らかにされてきた(図1). 本稿では, 細胞内における糖代謝の異常によって惹起されるPKC活性化の腎症における意義とその活性阻害による新たな腎症治療法としての展望を, 最近の臨床展開も含め概説する. I. 腎症の成因としてのPKC活性化とPKC阻害薬 細胞内に流入したブドウ糖は主に解糖系により代謝されるが, 糖尿病状態における過剰なブドウ糖はさまざまな側副経路で代謝を受ける(図2)2).

記事本文はM-Review会員のみお読みいただけます。

メールアドレス

パスワード

M-Review会員にご登録いただくと、会員限定コンテンツの閲覧やメールマガジンなど様々な情報サービスをご利用いただけます。

新規会員登録

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る