<< 一覧に戻る

糖尿病性腎症治療の新しい展望

Ⅰ 糖尿病性腎症の治療とそのエビデンス 糖尿病性腎症の寛解とDNETT-Japan

四方賢一槇野博史

Diabetes Frontier Vol.17 No.4, 475-478, 2006

「はじめに」近年のわが国では, 生活習慣の変化による2型糖尿病の増加に伴って, 糖尿病性腎症患者の数も増加の一途を辿っている. 日本透析医学会の統計によれば, 1998年以降は糖尿病性腎症が新規透析導入原因疾患の第1位であり, 2005年には新規透析導入患者の42%を占めている1). 2型糖尿病は生活習慣の乱れを基盤として発症しているため, 腎症の治療においても薬物治療のみならずチーム医療による生活習慣への介入が必要となる. 糖尿病性腎症は慢性に進行する腎疾患であるが, 治療により可逆性となるか否かについては, これまで十分なエビデンスは得られていなかった. 最近になって, 早期腎症は寛解(remission)するという研究結果が相次いで報告され, 腎症の早期診断の重要性がクローズアップされている. しかしながら, 顕性腎症の寛解の可能性についてはいまだにエビデンスが得られていない. 本稿では, 早期腎症の寛解に関する最近のエビデンスと, 腎症に対する集約的治療の効果について解説し, 最後にわが国で行われている顕性腎症の寛解を目指した多施設共同臨床研究(DNETT-Japan)を紹介する.

記事本文はM-Review会員のみお読みいただけます。

メールアドレス

パスワード

M-Review会員にご登録いただくと、会員限定コンテンツの閲覧やメールマガジンなど様々な情報サービスをご利用いただけます。

新規会員登録

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る