地域包括ケアシステムへの潮流を受けて,緩和ケア入院施設・ホスピスのイメージはかつての“がん終末期の安らかな療養と終の住処を提供する場”から変容しつつある。虚弱化した人間の療養の場は本来,住み慣れたわが家であり,がんの終末期も例外ではない。
急性期症状コントロールを主な役割とする緩和ケア病棟のあり方を当院の緩和ケア病棟を例に,在宅緩和ケアの地域連携システムの構築のあり方を医療資源の豊富な地域として松山市医師会を例に,医療資源が不足する地域として愛媛県(松山市以外)の例を挙げて考察した。郡市医師会と在宅医が協働し,病院の緩和ケア医が協力すれば,その地域の在宅緩和ケアは進展する。