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特集 がん治療医に聞く:実地臨床に必要な疼痛緩和の知識

多発性骨髄腫の痛みの緩和

河野和野坂生郷

がん患者と対症療法 Vol.27 No.1, 43-46, 2018

多発性骨髄腫(MM)は,B細胞の最終分化段階である形質細胞の単クローン性増殖により引き起こされる造血器腫瘍である。初診時には70%以上の症例で何らかの骨関連事象を認め,病変部位の疼痛は患者のADLとQOLを著しく損なうため,疼痛の緩和は骨髄腫細胞に対する化学療法とともに骨髄腫の診療で最も重要なものであるといっても過言ではない。さらに,骨髄腫患者は腎障害を合併することが多く,非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)による疼痛コントロールが困難な場合が多い。骨関連事象に対して各骨髄腫患者の病態や合併症に応じて薬物療法,放射線療法,手術療法などのさまざまな方法で痛みの緩和を行っていくことが重要である。
「KEY WORDS」骨関連事象(SRE)/腎障害/ゾレドロン酸/デノスマブ/放射線療法

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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