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特集 がん治療医に聞く:実地臨床に必要な疼痛緩和の知識

下腿浮腫による痛み・苦痛の緩和

濵西潤三井沢知子

がん患者と対症療法 Vol.27 No.1, 36-42, 2018

下肢リンパ浮腫は,しばしばがん治療の後遺症として長期間にわたり患者のQOLに影響を及ぼすことがあり,下肢の重だるさは日常生活に支障をきたすこともある。また,下肢リンパ浮腫は0期からⅢ期まで次第に進行し,重症となれば下肢浮腫の部位に疼痛が生じる場合もあるため,診断は注意深く行う必要がある。特に疼痛を伴う場合は,下肢静脈血栓症や下肢リンパ管炎の除外診断が重要である。また,下肢リンパ浮腫は保存的な理学療法を行うことが第一選択であり,適切なスキンケアや用手的リンパドレナージ,圧迫療法,運動療法を適宜行い,患者のセルフケア支援を行うことが重要である。一方で根治的治療として外科的手術も試みられているが,エビデンスが少なく今後の検討が期待されている。
「KEY WORDS」下肢リンパ浮腫/婦人科手術/症状緩和/複合的治療

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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