<< 一覧に戻る

特集 がん治療医に聞く:実地臨床に必要な疼痛緩和の知識

後腹膜浸潤による痛み・苦痛の緩和

三宅秀明

がん患者と対症療法 Vol.27 No.1, 30-35, 2018

泌尿器,消化器および婦人科領域などのさまざまな悪性腫瘍が原因で後腹膜浸潤に伴う痛み,苦痛は起こりうるが,その頻度は決して低いものではない。後腹膜腔には腎臓,尿管および膀胱により構成される尿路が存在し,悪性腫瘍による浸潤が進行すれば血尿,尿路閉塞,腎後性腎不全,尿路感染症および膀胱部痛などのきわめて多彩な尿路症状の発症が必発である。また,これらの尿路症状を緩和するためには,カテーテル留置などをはじめとした高度かつ専門的な泌尿器科的処置を適切なタイミングで施行することが求められる。以上より,後腹膜浸潤に伴う痛み,苦痛に対しては,一般的ながん疼痛に対する治療はもちろんのこと,尿路症状に対する専門的な処置にも精通することが重要である。本稿では,悪性腫瘍の後腹膜浸潤に伴って発症しうる特有の症状に焦点を当て,それらに対して臨床医がとるべき対応策を実践的な視点から解説する。
「KEY WORDS」後腹膜浸潤/悪性腫瘍/疼痛/尿路症状

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る