特集 がん治療医に聞く:実地臨床に必要な疼痛緩和の知識
イレウスに伴う痛み・苦痛の緩和
がん患者と対症療法 Vol.27 No.1, 25-29, 2018
悪性腫瘍患者においては,さまざまな理由でイレウスをきたすことがある。機序による正確な診断とそれに基づく適切な対処が必要であることは一般的なイレウスと同様に重要であるが,悪性腫瘍患者においては患者の状態やperformance status(PS),予想される生命予後などの因子を加味した特殊な対応が必要とされる。特に侵襲的な外科的処置や胃管・イレウス管の留置については,慎重に適応を判断しないと終末期の患者に無用な苦痛を与える結果になってしまうこともある。現実的には,薬物療法が中心の対応となる場合も多い。悪性腫瘍患者の診療に関わる医療者は,そういった状況を念頭に置いてイレウスの症状に対応する必要がある。
「KEY WORDS」悪性腫瘍患者の消化器症状緩和/イレウスの診断/イレウスの症状緩和
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。