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特集 がん治療医に聞く:実地臨床に必要な疼痛緩和の知識

右季肋部痛:肝胆膵がんの痛みの緩和

上野誠

がん患者と対症療法 Vol.27 No.1, 21-24, 2018

肝胆膵領域では膵がんの腫瘍疼痛が広く知られているが,がん治療におけるさまざまな病態で疼痛が出現する。疼痛緩和にはその原因を把握することが重要であり,腫瘍疼痛以外に肝膿瘍,胆囊炎なども鑑別に挙がる。膵がんでは背部痛が出現することが多いが,胆囊炎などは右季肋部痛が出現し,疼痛鑑別の重要なヒントとなりえる。これらの病態ではドレナージが有効であり,診断,治療のタイミングが重要である。ほかにも多くの鑑別診断があり,本稿において紹介する。また,膵がんによる腫瘍疼痛では非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs) 投与では不十分なことが多く,積極的にオピオイドを導入していくことが重要である。
「KEY WORDS」右季肋部痛/肝がん/胆道がん/膵がん/胆囊炎

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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