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特集 がん治療医に聞く:実地臨床に必要な疼痛緩和の知識

皮膚浸潤・自壊による痛み・苦痛の緩和

大谷彰一郎

がん患者と対症療法 Vol.27 No.1, 17-20, 2018

切除不能な局所進行がんは,がん種を問わず皮膚浸潤を呈して出血,滲出液,悪臭,接触痛などを伴い,QOLを著しく損なう。腫瘍の皮膚浸潤による自壊,出血例では止血に難渋することが多く,輸血を必要とすることもある。Mohs' chemosurgery(Mohsペースト)は,病変を化学的に固定することで腫瘍出血,疼痛,滲出液を制御し,QOLの改善に非常に有効な治療法と考えられる。また,悪臭の制御が不十分な症例ではメトロニダゾール軟膏の併用で悪臭も軽減し,さらにQOLの改善を図ることができる。切除不能局所進行がんの皮膚浸潤,自壊による痛み,苦痛に対しては,原疾患の治療に加えてMohsペーストとメトロニダゾール軟膏での治療が有効である。
「KEY WORDS」Mohsペースト/メトロニダゾール軟膏/がん性皮膚浸潤/QOL改善

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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