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特集 がん治療医に聞く:実地臨床に必要な疼痛緩和の知識

化学放射線療法による口腔や食道の痛み・苦痛の緩和

山下拓

がん患者と対症療法 Vol.27 No.1, 7-12, 2018

化学放射線療法(CCRT)に伴う口腔や食道の痛み・苦痛の主たる原因は,口腔・咽頭・食道に生じる粘膜炎である。これは患者のQOLに影響するだけでなく,治療完遂,ひいては治療成績の悪化も招きうる重大な問題である。粘膜炎のアセスメントにはNCI-CTCAEによる粘膜炎評価やWHOの口腔内有害事象スケールを用いるほかに,局所の状態を診察して記録することが重要である。粘膜炎の予防・治療法として,治療前の歯科的処置,口腔ケア,栄養管理による予防のほか,アズレンスルホン酸ナトリウムや,それに塩酸リドカインを付加した含嗽が行われる。近年,半夏瀉心湯を用いた含嗽後内服や局所塗布の有効性を示す報告も増加している。また,アセトアミノフェンやオピオイド鎮痛薬を使用した積極的な疼痛管理を行うことが推奨されている。CCRTに伴う粘膜炎の評価・予防・治療はレジメンの強化に伴い注目を集めているが,いまだエビデンスレベルの低いものも多く,今後臨床試験による研究の進歩,エビデンスの確立が望まれる。
「KEY WORDS」粘膜炎/含嗽薬/オピオイド/半夏瀉心湯/治療完遂

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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