「Summary」南房総地域を広くカバーする急性期総合病院である当院は,さまざまな重症疾患を有する患者に対して集学的治療を提供する役割を担う。一方,悪性疾患をはじめとした治癒困難な進行性疾患の治療と併行した早期からの緩和ケアが必要とされる昨今,院内緩和ケアチームが横断的な疼痛・緩和ケアの改善,すなわち患者と家族のQOL(quality of life)向上に果たす役割がますます重要になっている。本稿では,緩和ケアチームの専従(専任)スタッフである医師,看護師,薬剤師の各立場から,疼痛・緩和ケア改善に向けての院内横断的取り組みの現状と課題について述べる。
「Key Words」緩和ケア(palliative care),疼痛マネジメント(pain management),多職種(multidisciplinary),コンサルテーション(consultation),ペインスケール(pain scale)