Summary  症例は46歳,女性。知的障害を認めたが,卵巣がんを発病。家族の希望で在宅緩和ケアを開始した。当初,患者は医療行為に拒否的であったが,医療従事者と家族が協力して患者がリラックスできる環境を整え,医療行為を受け入れるように努めた。腹水が増加し腹部膨満が強くなったため,在宅で携帯型超音波診断装置を使用して腹部超音波検査を行い,安全に穿刺できることを確認したうえでリドカインテープを用いて腹腔穿刺を実施し,腹水ドレナージを行った。ドレナージ中も家族と担当看護師が付き添い患者が安心できるよう努め,合併症なく安全に施行できた。その後も症状にあわせて腹腔穿刺を行い,在宅看取りが可能となった。