Summary
症例は46歳,女性。知的障害を認めたが,卵巣がんを発病。家族の希望で在宅緩和ケアを開始した。当初,患者は医療行為に拒否的であったが,医療従事者と家族が協力して患者がリラックスできる環境を整え,医療行為を受け入れるように努めた。腹水が増加し腹部膨満が強くなったため,在宅で携帯型超音波診断装置を使用して腹部超音波検査を行い,安全に穿刺できることを確認したうえでリドカインテープを用いて腹腔穿刺を実施し,腹水ドレナージを行った。ドレナージ中も家族と担当看護師が付き添い患者が安心できるよう努め,合併症なく安全に施行できた。その後も症状にあわせて腹腔穿刺を行い,在宅看取りが可能となった。
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症例報告(がん患者と対症療法)
知的障害を伴う卵巣がん患者に対し,医療従事者と家族が協力し患者が安心できる在宅療養環境をつくることで難治性腹水に対する腹腔穿刺が可能となり,長期在宅療養が可能となった1例
掲載誌
がん患者と対症療法
Vol.22 No.2 81-85,
2011
著者名
首藤真理子
/
渡邉淳子
記事体裁
連載
/
症例
/
全文記事
疾患領域
癌
診療科目
産婦人科
/
麻酔科
媒体
がん患者と対症療法
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。