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特集 喘息の加齢による変化─高齢者喘息を中心に─

小児科領域からみた加齢の影響

小田嶋博

喘息・アレルギー Vol.30 No.2, 29-35, 2017

小児期には喘息が発症し,ある者は寛解し,ある者は成人に移行していく。小学生でみれば発症は3歳までが多く,その後,小学生の時期に約半分は寛解する。思春期は寛解の時期であると同時に,増悪,難治化する時期でもある。思春期を境にして小児ではさまざまな意味で回復力が低下していく。思春期以前であれば肺機能にも可逆性がある。また気道過敏性も発作のない期間を長く続けることによって改善する。思春期を過ぎると簡単には改善しなくなっていく。さらに,思春期を過ぎると薬剤は自己管理となっていくが,自己管理のできる小児は少ない。したがって,この時期までに寛解させることができるか否かは小児科医にとっては重要なことである。本稿では,著者らの検討に文献的考察を加えながら,小児科領域からみた加齢の影響について述べる。
「key words」気管支喘息,寛解,小児,思春期,発症

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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