喘息患者では健常者と比較して呼吸機能低下の進展が著明である。特に高齢者喘息では,生活環境や加齢自体の影響などによって,呼吸機能障害が修飾される。そしてさまざまな併存症による診断の困難性や,治療方針の選択が問題となってくる。しかしながら,これらの変化の基盤となる免疫学的炎症病態に関する知見は少ない。本稿では,“inflammaging”の概念を述べることで加齢に伴って修飾されうる,高齢者喘息の気道炎症病態に関して解説していく。