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特集 アレルギー性皮膚疾患診療の新展開

皮膚疾患に関わる汗アレルギー

平郡隆明

喘息・アレルギー Vol.30 No.1, 56-60, 2017

汗はアトピー性皮膚炎(AD)の増悪因子として知られ,AD患者は自己汗に対するⅠ型アレルギー反応(汗アレルギー)を高率に示す。一方,コリン性蕁麻疹は発汗刺激で小型の膨疹が誘発され,その一部に汗アレルギーが関与するといわれている。われわれは,ヒト汗をAD患者末梢血好塩基球に対するヒスタミン遊離活性を指標として精製し,汗中に含まれるヒスタミン遊離活性物質としてMalassezia globosa が産生するMGL_1304を同定した。汗アレルギーへの対策としては,ADの場合はシャワー浴やタンニン酸含有スキンケア製剤が有効で,コリン性蕁麻疹の場合は,自己汗による減感作療法が重症例では選択肢となる。
「key words」アトピー性皮膚炎,汗アレルギー,コリン性蕁麻疹,MGL_1304,Malassezia globosa

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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