<< 一覧に戻る

特集 重症喘息Up-To-Date

生活環境要因と重症化②

―肥満の影響―

原裕子玉置淳

喘息・アレルギー Vol.30 No.1, 30-33, 2017

肥満は非アレルギー性喘息の発症と相関し,特に女性においてより顕著である。肥満に伴い,機能的残気量の低下,気道過敏性の亢進,身体活動性の低下,慢性炎症,合併症(睡眠時無呼吸症候群,胃食道逆流,鼻炎),アディポカインの分泌異常などによって,肥満が喘息の発症率の増加や病勢の増悪に関与していることが明らかとなってきた。肥満喘息においては,吸入ステロイド薬(ICS)の効果が減弱するが,ロイコトリエン受容体拮抗薬の効果は減弱しないことが報告されている。肥満喘息の治療ではICSに加え,積極的にロイコトリエン受容体拮抗薬の使用が推奨される。今後は肥満喘息という重症・難治性の喘息に焦点を当てた新たな治療戦略の確立が望まれる。
「key words」喘息,肥満,アディポカイン,レプチン,アディポネクチン

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る