喘息の発症・増悪には環境要因が大きく影響している。環境中のアレルゲン,細胞傷害物質への曝露により生じる抗原非特異的な急性の炎症反応には,自然免疫が寄与している。その免疫応答はさまざまな炎症細胞のネットワークを介して,獲得免疫へと引き継がれる。喘息の病態は一様ではなく,フェノタイプごとに重症化・難治化の要因も異なると推測される。そのフェノタイプに分ける過程で環境因子と自然免疫の関わりについて理解を深めることは,フェノタイプごとの治療方針や,新規治療標的を探索するうえでも重要と考えられる。
「key words」喘息,アレルギー,自然免疫,獲得免疫,環境要因