特集 咳の診療Up-To-Date
後鼻漏,胃食道逆流症,その他の原因の咳
PND, GERD and other causes for cough
喘息・アレルギー Vol.29 No.1, 55-60, 2016
「Summary」咳嗽は,呼吸器疾患の日常診療において最も多く遭遇する主訴である。慢性咳嗽の原因疾患としては,咳喘息/アトピー咳嗽,胃食道逆流症(GERD),慢性副鼻腔炎/副鼻腔気管支症候群(SBS),感染後咳嗽,薬剤による咳嗽,間質性肺炎,中枢気道病変などがある。海外における慢性咳嗽の三大原因疾患として,喘息(咳喘息を含む),後鼻漏(PND),GERDが報告されている。一方,日本においては咳喘息/アトピー咳嗽の頻度が最も高く,続いて慢性副鼻腔炎,近年ではGERDの頻度が増加してきている。慢性咳嗽の原因疾患の診断においては,患者からの基本的な情報が最も重要であり,このために問診が診断の決め手になるということを,咳嗽診断の日常臨床において常に心にとめておかなければならない。
「Key words」慢性咳嗽,胃食道逆流症,後鼻漏,副鼻腔気管支症候群,ACE阻害薬,間質性肺炎,中枢性気道病変
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。