Pro/Con紙上討論
第13回スギ花粉症の免疫療法の第一選択はSLITかSCITか? エディターズコメント
喘息 Vol.28 No.2, 94, 2015
スギ花粉症は鼻炎症状のみならず,結膜炎,既存の気管支喘息(以下,喘息)や咳喘息・アトピー咳嗽の悪化,微熱や全身倦怠感など,さまざまな臨床症状を発現させて患者を苦しめる。マスクなど,防御策と称する商品の経済効果は多少なりともあるのであろうが,国家全体で受けるその被害には甚大なものがあると思われる。患者数は関東など飛散量の多い地区を中心に,もはや無数といってもよいであろう。国民病ともいわれる所以である。2014年3月号の米国アレルギー学会雑誌『The Journal of Allergy and Clinical Immunology(JACI)』の表紙にはスギが花粉を散布させるイラストとともに,“IMMUNOTHERAPY! Can it cure the Japanese National Affliction?”と表題がある。その半年後にはわれわれはスギ舌下免疫療法(sublingual immunotherapy;SLIT)治療薬を手にしており,事前にそれを祝福していたかのようでもある。
本討論は,問題点をよりクローズアップすることを目的としており,このテーマに対しあえて一方の見地に立った場合の議論であって,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。
・SLITの立場から/大久保公裕
・SCITの立場から/大橋淑宏
・エディターズコメント/永田真
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。