Pro/Con紙上討論
第13回スギ花粉症の免疫療法の第一選択はSLITかSCITか? SCITの立場から
喘息 Vol.28 No.2, 90-93, 2015
「はじめに」免疫療法は1911年にはじめて報告され,実に100年以上の歴史がある。薬物療法の発展とともに,治療の主役は薬物療法に移行したかのような感がある。確かに,ここ20年ほどの間に種々の薬物作用をもつ抗アレルギー薬が開発され,また初期治療のような効果的な投与法が登場してきた1)。したがって,数種の抗アレルギー薬を組み合わせ,効果的な投与法を導入することで,多くのスギ花粉症患者のQOLは容易に改善される時代となった。しかし,薬物療法の効果は一時的なものであり,抗アレルギー薬を使用しなければ翌年には間違いなく激しい花粉症症状に悩まされることになる。極論すれば,スギ花粉症患者は命あるかぎり,抗アレルギー薬を花粉飛散期には使用しつづけなければならない。
本討論は,問題点をよりクローズアップすることを目的としており,このテーマに対しあえて一方の見地に立った場合の議論であって,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。
・SLITの立場から/大久保公裕
・SCITの立場から/大橋淑宏
・エディターズコメント/永田真
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。