喘息・アレルギー診療のトピックス
スギ花粉症の舌下免疫療法
喘息 Vol.27 No.2, 107-110, 2014
「はじめに」アレルゲン免疫療法は,1911年にNoon Lが報告して以来100年の歴史がある方法である。根治療法である免疫療法とはいえ,注射法では疼痛などの侵襲があることや副作用としてアナフィラキシーショックを起こす危険性があることなどから本邦では十分普及していない。このような欠点を解決する方法として海外では局所免疫療法がいくつか試みられている。局所免疫療法では舌下,鼻粘膜,気管への抗原投与があり,これらのなかでは舌下免疫療法が最も実用化が進んでいる1)。
「Ⅰ.舌下免疫療法」舌下免疫療法は疼痛がないこと,ショックを起こしにくいことなどがメリットとして挙げられる。治療効果そのものについては注射法と大きな違いがないか,やや劣るとも報告されている。舌下免疫療法は治療効果が向上したものではなく,従来の方法の欠点を払拭できる治療手段と捉えるべきである。また皮下注射法と同様に長期寛解や新たな抗原に感作する率を低下させる効果もある2)3)。
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