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Pro/Con紙上討論

第11回喘息発作時のテオフィリン薬使用の是非について エディターズコメント

永田真

喘息 Vol.27 No.2, 99, 2014

筆者は幼少期から自身が喘息患者である。発作を起こしたときには,東京下町で開業医をしていた父親が静脈注射をしてくれた。すると呼吸がたちまち楽になるのである。が,しばしば吐き気や動悸がして辛い思いをした記憶がいまでも鮮明に残っている。あの静脈注射はテオフィリンを主成分としたアミノフィリンであったに相違ない。自身の記憶から,テオフィリンは喘息発作治療薬として効果があるが,一方で副作用も出ることがあると実感をもちつつ今日まできた。テオフィリンは古くて新しい喘息治療薬である。多年にわたり気管支拡張薬として用いられてきたが,1990年代以降には,免疫担当細胞に対する抑制作用やヒストン脱アセチル化酵素増強活性などの抗炎症作用を併せもっていることが解明されてきた。

本討論は,問題点をよりクローズアップすることを目的としており,このテーマに対しあえて一方の見地に立った場合の議論であって,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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