<< 一覧に戻る

Pro/Con紙上討論

第11回喘息発作時のテオフィリン薬使用の是非について Conの立場から

早田敦志松永和人

喘息 Vol.27 No.2, 95-98, 2014

「はじめに」テオフィリンは約100年前に茶葉より抽出・発見された,メチルキサンチンと呼ばれるアルカロイドの一種である。テオフィリンは50年以上前より気管支拡張薬として気管支喘息の治療に用いられてきた。ただしその有効血中濃度と中毒域濃度は近接しているため,副作用がしばしばみられた。その後,テオフィリンの薬物動態が解明され,血中薬物濃度モニタリング(therapeutic drug monitoring;TDM)により,血中濃度を有効域に調節することが可能となった。しかしクリアランスがさまざまな因子に影響されることもあり,喘息発作時の使用においては副作用発現のリスクが残る。わが国の『喘息予防・管理ガイドライン2012』1)では,中発作以上でアミノフィリン点滴静注が用いられるが,発作時の第1選択薬である短時間作用性β2刺激薬への上乗せ効果は明らかでなく,国際ガイドラインであるGlobal Initiative for Asthma(GINA)2)ではその増悪時の使用に消極的である。

本討論は,問題点をよりクローズアップすることを目的としており,このテーマに対しあえて一方の見地に立った場合の議論であって,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る