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Pro/Con紙上討論

第11回喘息発作時のテオフィリン薬使用の是非について Proの立場から

山口正雄

喘息 Vol.27 No.2, 89-94, 2014

「はじめに」喘息の長期管理においてテオフィリン薬は,ステップ1においては吸入ステロイド薬(inhaled corticosteroid;ICS)低用量が使用できない場合に用いる薬剤の選択肢の1つとして,ステップ2~4においてはICSに併用する薬剤の1つとして記載されている[『喘息予防・管理ガイドライン2012』(JGL2012)]。これに対して,喘息発作においては,発作治療ステップ1においてテオフィリン薬頓用が,発作治療ステップ2~4においてアミノフィリン点滴静注あるいは持続点滴が記載されているが(JGL2012),ガイドラインの種類によってはテオフィリン薬の記載が一律ではなく,Global Initiative for Asthma(GINA,2014年改訂)においては発作治療に使うべきでないとされ,記載が大きく異なっている。喘息発作時のテオフィリン薬使用に関してのProの立場から述べてみたいが,「全例に必ず使いましょう」ではなく「使用可能な多くの患者さんに対して上手に使いましょう」であることをまず申し上げておきたい。

本討論は,問題点をよりクローズアップすることを目的としており,このテーマに対しあえて一方の見地に立った場合の議論であって,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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