特集 気管支喘息の自然歴とアウトグロー
Ⅱ.修飾因子 発症・増悪におけるウイルス感染症の位置づけ
Effects of viral infection on the development and exacerbation of asthma
喘息 Vol.27 No.2, 35-39, 2014
「Summary」呼吸器系ウイルス感染は,気管支喘息(喘息)の発症,増悪の両方にとって重要で頻度の高いリスク因子である。小児期のウイルス感染は,直接的な気道や免疫系への影響に加えて,遺伝的素因など喘息発症の素因を有している小児の喘息発症を間接的に促進する影響も有している。Asthmagenic virusとしては,RSウイルス(RSV)やヒトライノウイルス(HRV)が代表であり,感染時にはロイコトリエン(LT)などもメディエーター産生を介して喘息を増悪させる。喘息に加えて,呼吸器ウイルスの診断法や治療法を確立することにより,ウイルス感染による喘息の発症・増悪の予防が可能となるかもしれない。
「Key words」respiratory syncytial virus(RSV),human rhinovirus(HRV),influenza virus(IV),ロイコトリエン(LT)
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