特集 喘息と気道炎症Up-To-Date
好中球性炎症Up-To-Date
Neutrophilic inflammation in asthma Up-To-Date
掲載誌
喘息
Vol.27 No.1 28-35,
2014
著者名
杣 知行
記事体裁
抄録
疾患領域
呼吸器
/
アレルギー・免疫
診療科目
一般内科
/
呼吸器内科
/
アレルギー科
/
耳鼻咽喉科
/
老年科
/
小児科
媒体
喘息
「Summary」喘息の気道炎症は, 基本的にはTh2型免疫反応がその主たる機序である. 中心的なエフェクター細胞は好酸球やマスト細胞とされる. しかし一部の症例では, Th1あるいはTh17型反応が関与する好中球性気道炎症が病態に寄与する. 喘息の亜分類を喀痰中の好酸球比率と好中球比率の視点から行い, その臨床病態を解析した情報が集積されてきている. こうした炎症細胞比率によるフェノタイピングでは加齢やBMI, 呼吸機能, 治療内容, 重症度との連関性がみられ, また重症例の一部では両顆粒球比率ともに高いことも示されている. 好中球が好酸球性気道炎症にもたらす作用も判明してきている. さらに好中球性炎症に対する治療薬についての基礎的あるいは臨床的研究が進められている. 「はじめに」喘息の基本病態である気道炎症は, 主としてTh2型免疫応答により形成される. インターロイキン(interleukin; IL)-4, IL-5に代表されるTh2サイトカインや, それらの作用により産生されるCCケモカイン群などが伝達分子として機能し, 好酸球の組織集積やその活性化が誘導される.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。