Pro/Con紙上討論
第9回成人アレルギー性喘息においてアレルゲン回避指導は必要か?
掲載誌
喘息
Vol.26 No.2 89-96,
2013
著者名
中島宏和
/
東田有智
/
正木克宜
/
福永興壱
/
永田 真
記事体裁
抄録
疾患領域
呼吸器
/
アレルギー・免疫
診療科目
一般内科
/
呼吸器内科
/
アレルギー科
/
耳鼻咽喉科
/
老年科
媒体
喘息
[はじめに] 成人アレルギー性気管支喘息の発症・増悪の予防に, アレルゲンの回避をするべきか否か, その効果について否定的な見解も存在する. ネコなどのペットに付着するダニの曝露を回避するためにネコを飼うことをやめてもダニアレルゲンの曝露を回避することは困難で1), ハウスダストマイトを低減させる室内環境改善が気管支喘息の治療に有利に働くかどうかを調査した臨床研究のメタ解析でも, その有用性は判然としなかったとする報告もある2). しかし, アレルギー性気管支喘息の増悪予防にアレルゲン回避が重要であるとする報告が多いのも事実で, 本稿では成人アレルギー性気管支喘息の発症・増悪の予防にアレルゲンの回避指導を行うべきであるとする立場から, その根拠を挙げてみたい. [成人アレルギー性気管支喘息発症機序におけるアレルゲン曝露の重要性] 気管支喘息の最も特徴的な病態である気道炎症は, ウイルス・アレルゲン・大気汚染物質・喫煙・薬物などの外的因子に対する過剰なアレルギー反応により生じる.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。