特集 喘息・アレルギーと遺伝子Up-To-Date
喘息難治化と遺伝子との関連
Genetics of severe asthma
喘息 Vol.26 No.1, 37-41, 2013
「Summary」喘息の難治化に関与する遺伝子は, (1)喘息の発症と共通する遺伝子, (2)呼吸機能低下に関与する遺伝子, (3)リモデリングに関与する遺伝子, (4)治療抵抗性に関与する遺伝子の, 主に4つのカテゴリーに分類できる. 重症喘息患者を対象としたゲノムワイド関連解析(GWAS)で同定された遺伝子は, 喘息の発症にも関与している遺伝子であり, 喘息の発症と難治化は共通の遺伝子が関与していることが示唆される. しかし, 重症喘息はさまざまなフェノタイプ/エンドタイプの集合であるだけに, 今後それぞれのサブグループに注目した研究を行うことで各フェノタイプ/エンドタイプ独自の難治化関連遺伝子が明らかとなる可能性がある.
「はじめに」喘息の発症に関与する遺伝子として, ORMDL3(17q21), インターロイキン(interleukin; IL)-33(9q24), IL-1RL1/IL-18R1(2q11), IL-13/RAD50(5q31), TSLP(5q22), HLA-DR/DQ(6p21)などが複数のゲノムワイド関連解析(genome wide association study; GWAS)で再現性をもって確認されている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。