Pro/Con紙上討論
第7回吸入ステロイド薬は成人喘息の自然経過を修飾するか?
掲載誌
喘息
Vol.25 No.2 87-97,
2012
著者名
小林信之
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滝澤始
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永田 真
記事体裁
抄録
疾患領域
呼吸器
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アレルギー・免疫
診療科目
一般内科
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呼吸器内科
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アレルギー科
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耳鼻咽喉科
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老年科
媒体
喘息
成人喘息の自然経過は実に多様である. 小児喘息からの持ち越しあるいはアウトグロウしていたとされる症例の再発が非常に多いが, 成人発症例もきわめて通常にみられ, その発症年齢も若年層から高齢者までさまざまである. 吸入ステロイド薬(ICS)が導入されることが普通であるが, その反応性も多様である. ICSのみで完全なコントロールが得られるケースから, 効果がなかなか得られずに各種のパートナードラッグを併用し, やがて抗IgE療法あるいは経口ステロイド持続投与に追い込まれる症例もみられる. さらに適切な治療を阻害する因子, すなわち病因アレルゲンの曝露や喫煙, 過労などを十分に回避できず, なかには急性増悪を反復したり, 死に至るケースすら存在する. かかる喘息の自然経過を基礎治療薬であるICSが修飾しうるか否かは重要な命題であり, 今回のPro/Conでは, ICSに精通されたお二人のエクスパートに特に御討論をお願いした次第である.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。