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特集 気管支喘息に合併する病態

老年期特有の合併症(認知症,骨粗鬆症)

Complication in elderly patients with asthma (cognitive impairment, osteoporosis)

堀口高彦

喘息 Vol.25 No.1, 60-63, 2012

[Summary]超高齢化社会を迎えた本邦において, 日常臨床で多々遭遇する高齢者喘息の特徴, 問題点を挙げ, 老年期特有の合併症(認知症, 骨粗鬆症)について概説した. 気管支喘息の基本病態は慢性気道炎症であり, 高齢者といえどもその病態に変わりはなく, 吸入ステロイド薬(ICS)を中心とする抗炎症療法が基本である. 吸入薬のデバイスも進化する半面, 多様化しており, 高齢者喘息においては正確に吸入されず期待される効果が得られていない場合もある. そこで, 非専門医の先生方にもICSの選択の目安をわかりやすくするためにフローチャートを作成した. 高齢者喘息患者には多種多様な問題点が存在するため, その対策を確立していくことが治療成績の向上に結びつき, 喘息死の減少に寄与すると考える.
「はじめに」本邦における高齢者人口の増加に伴い, 気管支喘息(以下, 喘息)においても65歳以上の高齢者の有病率が増加している.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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