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目でみるページ(喘息)

Vocal cord dysfunction;声帯機能不全症

Vocal cord dysfunction

石井芳樹

喘息 Vol.25 No.1, 2-5, 2012

「I. 概念」声帯機能不全症(vocal cord dysfunction;VCD)は, paradoxical vocal cord motionあるいはpsychogenic stridor, pseudoasthmaなどともいわれる. 本来, 吸気相には開大するはずの声帯が発作性に内転し声門が閉じることで, 気流制限が生じて呼吸困難に陥る. 多くの場合はうつ病, 心身症, 不安神経症, 人格障害, 心的外傷後ストレス障害(post traumatic stress disorder;PTSD)などに伴った心因反応として発生する. その他, 運動に伴うもの, 神経障害後, 術後の気管内挿管抜管後, 胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease;GERD), 刺激物質吸入後などにも認められる1)2). ワールドトレードセンターにおける災害の被災者にもPTSDや刺激物質吸入によって多数の発症がみられたことが報告されている3). 運動誘発性の場合は, 運動誘発性喘息(exercise-induced asthma;EIA)と誤診されやすいので注意を要する4).

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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