Summary  アラキドン酸由来のリポキシン(lipoxins),ω3脂肪酸(DHA・EPA)由来のレゾルビン(resolvins)・プロテクチン(protectins)などの炎症を抑制する脂質メディエーターが,最近注目を集めている。細胞レベルでは好酸球・好中球・マクロファージ・リンパ球・樹状細胞・気道上皮細胞への作用が報告されており,喘息動物モデルでは好酸球性気道炎症・気道過敏性亢進に対する抑制作用が認められる。臨床検体を用いた検討では,重症喘息患者の肺胞洗浄液・呼気凝縮液・末梢血におけるリポキシンの産生能の低下が報告されており,実際の喘息病態において抗炎症性脂質メディエーターが関与している可能性が示唆されている。