Summary
気管支喘息の薬物治療は吸入ステロイド薬(ICS)などの抗炎症療法が主体であるが,近年ではICSは喘息を根治せしめるものではなく対症療法にすぎないことが明確化されつつある。一方アレルゲン免疫療法は,アレルギー疾患の自然経過を修飾しうる治療法とされる。喘息におけるアレルゲン免疫療法の一般的な適応は軽症~中等症のアトピー型喘息であり,その有効率は1秒率70%以上の症例で高い。また,気管支喘息の50~80%でアレルギー性鼻炎の合併がみられ,鼻炎合併例では鼻炎治療が喘息症状を改善させる。アレルゲン免疫療法はアレルギー性鼻炎に対するガイドライン治療であり,喘息においては特に鼻炎合併例がよい適応である。近年では,①舌下免疫療法などの投与経路の工夫,②Th1アジュバントの導入など安全性や治療効果を高める試みがされており,今後の発展が待たれる。
全文記事
アレルゲンと免疫療法の再考
喘息治療における免疫療法の現状と方向性
Allergen immunotherapy in asthma ; current status and future perspectives
掲載誌
喘息
Vol.24 No.1 47-52,
2011
著者名
中込 一之
/
永田 真
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
呼吸器
/
アレルギー・免疫
/
耳鼻科疾患
診療科目
一般内科
/
呼吸器内科
/
アレルギー科
/
耳鼻咽喉科
媒体
喘息
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。