Summary  気管支喘息の薬物治療は吸入ステロイド薬(ICS)などの抗炎症療法が主体であるが,近年ではICSは喘息を根治せしめるものではなく対症療法にすぎないことが明確化されつつある。一方アレルゲン免疫療法は,アレルギー疾患の自然経過を修飾しうる治療法とされる。喘息におけるアレルゲン免疫療法の一般的な適応は軽症~中等症のアトピー型喘息であり,その有効率は1秒率70%以上の症例で高い。また,気管支喘息の50~80%でアレルギー性鼻炎の合併がみられ,鼻炎合併例では鼻炎治療が喘息症状を改善させる。アレルゲン免疫療法はアレルギー性鼻炎に対するガイドライン治療であり,喘息においては特に鼻炎合併例がよい適応である。近年では,①舌下免疫療法などの投与経路の工夫,②Th1アジュバントの導入など安全性や治療効果を高める試みがされており,今後の発展が待たれる。