全文記事
抗アレルギー薬の歴史
第6回 TXA₂阻害薬:TXA₂合成酵素阻害薬とTXA₂受容体拮抗薬について
掲載誌
喘息
Vol.23 No.2 97-108,
2010
著者名
湯川龍雄
/
相良 博典
/
黒沢元博
記事体裁
連載
/
全文記事
疾患領域
呼吸器
/
アレルギー・免疫
/
耳鼻科疾患
診療科目
一般内科
/
呼吸器内科
/
アレルギー科
/
老年科
/
小児科
媒体
喘息
「はじめに」 アナフィラキシーに伴って産生されるRCS(Rabbit Aorta Contracting Substance)が1969年に発見され, この不安定な物質が1975年, Hambergらにより血小板で産生され血小板凝集能を有するトロンボキサン(thromboxane;TX)A2と同定・確認された1). TXA2は, アラキドン酸カスケードのシクロオキシゲナーゼ(cyclooxygenase;COX-1およびCOX-2)経路を経て, プロスタグランジン(prostaglandin;PG)H2よりTX合成酵素の作用により生合成されるアラキドン酸(arachidonic acid;AA)代謝産物の1つ(図1)で, 発見のきっかけとなった強力な血小板凝集作用のほか, 血管および気管支平滑筋収縮作用, 種々の細胞の分化・増殖またはアポトーシスの促進, また, ロイコトリエン(leukotriene;LTs)刺激によりTXA2が産生されることによる一部LTsの働きに対する修飾作用などさまざまな生理活性作用が報告されている2)-5).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。