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不可逆性気流閉塞を伴う喘息(成人)
掲載誌
喘息
Vol.23 No.2 2-9,
2010
著者名
新実彰男
記事体裁
連載
/
全文記事
疾患領域
呼吸器
/
アレルギー・免疫
診療科目
一般内科
/
呼吸器内科
/
アレルギー科
/
老年科
媒体
喘息
「はじめに」 喘息は気道の慢性炎症, 変動性の気道狭窄(気流閉塞), 気道過敏性亢進を本態とする疾患である. 従来は, 喘息の気流閉塞は可逆性と考えられていたが, 強力な薬物療法によっても完全には回復しない不可逆性な気流閉塞(irreversible airflow obstruction;IAO)を生じうること, この現象が気道炎症の長期持続に伴って惹起される気道リモデリング(図1)によることの理解も深まっている1)2). リモデリングの病理所見のなかで, 基底膜肥厚, 平滑筋の増生肥大などについてはIAOとの有意な関連が気管支生検による研究で示されている3). また, これらの所見の総和としてもたらされる気道壁肥厚をCT画像で評価すると, 肥厚の程度はIAOと関連する(図2)4). 「I. IAOの評価方法」 気流閉塞の一般的指標は, スパイロメトリーの1秒量(FEVI)や1秒率(FEV1/FVC)などである.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。