「はじめに」GINAをはじめとした世界の喘息治療ガイドラインでは, 長期管理に用いられる第一選択の薬剤は吸入ステロイド薬(inhaled corticosteroid;ICS)であり, ロイコトリエン受容体拮抗薬(leukotriene receptor antagonist;LTRA)は追加治療薬, または第二選択の位置づけにされている. 一方, わが国の『小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2008(JPGL2008)』では, そのような「単純な」使用法ではなく, 喘息の多様な病態を考慮して多様な薬剤を治療指針に取り込んでいるとともに, 5歳以下のステップ2の治療としてはLTRAが第一選択薬に挙げられている. さらに, JPGL2008は重症度の判定基準が諸外国と1段階異なるが, その結果GINAで間欠型として対症療法のみしか行わない例でもJPGL2008では持続型として長期管理を推奨し, より早期介入の立場をとる(表1). コントロール目標が諸外国より高いレベルを追求していることにもなるが, 早期介入のためにLTRAが5歳以下のステップ2の基本治療として位置づけられているのである. このような背景をもとに, 本稿ではLTRAが小児気管支喘息の第一選択薬であるということをエビデンス検証に基づきながら論じてみたい.
本討論は,問題点をよりクローズアップすることを目的としており, このテーマに対しあえて一方の見地に立った場合の議論であって, 必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。
本討論は,問題点をよりクローズアップすることを目的としており, このテーマに対しあえて一方の見地に立った場合の議論であって, 必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。