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喘息の病態に関する最新の知見
小児気管支喘息の末梢気道病変
掲載誌
喘息
Vol.22 No.2 61-64,
2009
著者名
富川盛光
/
海老澤 元宏
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
呼吸器
/
アレルギー・免疫
/
小児疾患
診療科目
アレルギー科
/
小児科
媒体
喘息
「Summary」小児気管支喘息患児において末梢気道病変を有することは, 成人喘息へ移行する危険因子である. しかし, 現時点での小児気管支喘息における末梢気道病変を評価する方法として, 成人喘息と異なり広く行われているのは%V50や%V25などスパイログラムを用いての評価法しか存在せず, 今後はインパルスオシオメトリー法などデータの蓄積が待たれる. 発症因子としての遺伝子の一塩基多型の有無や治療においても, 吸入ステロイド薬のみでなく長時間作用型β刺激薬やロイコトリエン受容体拮抗薬などの組み合わせも含め, 今後の検討課題である. 「I 背景」小児気管支喘息の病態は, 小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2008(JPGL2008)1)において, 成人ほどエビデンスは確立していないものの気道炎症, 気道リモデリング, 気道過敏性を特徴としてもつことが記載されている. 喘息が気道の慢性炎症性疾患であるという理解は, 治療・管理に重要な意味をもつ. JPGL2008では, 気道炎症を抑えるために吸入ステロイド薬(inhaled corticosteroid;ICS)の使用を小児全年齢で軽症持続型から勧めている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。