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慢性咳嗽再考

通年性アレルギー性鼻炎と慢性咳嗽

―通年性アレルギー性鼻炎と咳嗽についての形態学考察―

三枝英人

喘息 Vol.20 No.2, 46-52, 2007

クシャミ, 咳嗽はともに, 鰓弓由来の筋群と体壁筋の協調運動によって発現するものであり, その発現前には必ず吸気性運動が観察される. クシャミ発現の主な場となる鼻, 咳嗽発現の主な場である喉頭は, 本来, 呼吸様式と遠隔受容器である嗅覚機能と密接な関係を保って分化を遂げてきた器官であり, クシャミ, 咳嗽ともに異物除去を第一の目的として分化した機能ではないことが理解される. その原型は, 鰓弓神経(副交感神経線維を含む)と交感神経とにより支配された鰓腸運動である. したがって, 通年性アレルギー性鼻炎と咳嗽との関係を考慮する場合には, 哺乳類において最高度に分化した嗅覚, 呼吸機能に伴い新たに設置された即時型免疫反応とともに, 自律神経系の緊張状態, 成熟度合いについても考慮する必要がある.

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