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慢性咳嗽再考

花粉症と慢性咳嗽

意元義政山田武千代藤枝重治

喘息 Vol.20 No.2, 41-43, 2007

アレルギー性鼻炎の症状はくしゃみ, 鼻閉, 水様性鼻汁が代表的であるが, 他にも目の痒み, 全身倦怠感, 喉の異常感, 咳といった多彩な症状がある. 近年, one airway, one diseaseといった概念が提唱されており, 鼻などの上気道と細気管支などの下気道の病態の関連も重要視されている. 特に, 咳は気道のクリアランスの1つであり, 下気道および上気道の疾患でも出現することより, 気道の“反応”を示す重要な表現であるといえる. そこで, スギ花粉症患者に出現する咳について福井大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学および関連病院を受診したスギ花粉症患者にアンケートを行ったところ, 約半数に咳が認められ, そのうち乾性咳嗽が46%, 湿性咳嗽が31%, 咳払いが23%であった. また, スギ花粉飛散ピーク時期は最も多く咳が出現し, 症状が重い時期であった. 咳出現患者の約40%が咳に対して医療機関への受診があったという結果もあり, スギ花粉症患者において咳の重要性が示唆された.

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