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特集 骨代謝マーカーⅣ

Ⅳ.骨代謝マーカーの今後の課題と将来展望 3.骨代謝マーカーによるアドヒアランスの向上と骨折リスクの低減

太田博明

THE BONE Vol.33 No.2, 103-109, 2019

骨代謝マーカーの測定に加えて医師による補強で,服薬アドヒアランスと治療継続率が向上し,骨折発生率ひいては死亡率も確実に低下する.ビスホスホネート薬を中心とする骨吸収抑制薬の治療により,骨代謝マーカーの低下が30%を超えると治療継続率が向上する.さらに,服薬アドヒアランスが80%以上となると,骨折抑制効果を認める.しかし,ビスホスホネート薬治療のアドヒアランスが悪いと,感染症リスクが増加する可能性から死亡リスクが増加するという.以上からメディカルスタッフのサポートの重要性が示唆される.一方で,服薬アドヒアランスがよいと長期投与となり,頻度は少ないが,非定型大腿骨骨折の増加という弊害もあるため,リエゾンサービスを介した総合的な取り組みが必要である.
「KEY WORDS」アドヒアランス,治療継続率,骨折抑制効果,医療費節減効果,コンプライアンス

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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