破骨細胞は,骨吸収を司る多核細胞である.破骨細胞がインテグリンを介して骨基質に接着すると,ポドソームがリング状に配列した構造が作られる.これは,アクチンリングあるいはシーリングゾーンと呼ばれる.このように骨吸収を活発に行っている破骨細胞は極性化し,シーリングゾーン,波状縁,基底外側膜と機能的分泌領域といわれる4つの機能領域をもつようになる.本稿では,破骨細胞の極性化に低分子量Gタンパク質がどのように関与するかを紹介し,Wntの非古典的経路がどのように破骨細胞の極性化を調節するかを概説した.
「KEY WORDS」破骨細胞,Wnt,低分子量Gタンパク質,骨吸収機能