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特集 生活習慣病と骨粗鬆症 ―最新の基礎研究と臨床のトピック―

Ⅰ.生活習慣病としての骨粗鬆症 3.サルコペニアからみた糖代謝異常・骨粗鬆症

植木浩二郎

THE BONE Vol.31 No.4, 33-36, 2018

サルコペニアは,加齢に伴う骨格筋の量的・質的低下であるが,量的低下によって糖代謝処理容量の低下による糖代謝異常や骨へのメカニカルな刺激の低下による骨量の低下をもたらすと考えられる.一方,骨格筋はさまざまな分泌因子(マイオカイン)を分泌することも明らかになってきた.マイオカインのなかには,骨格筋量の調節を介して間接的に骨量や糖代謝に影響を及ぼすものだけではなく,paracrineに骨芽細胞や破骨細胞に働いて直接的に骨量を調節するものもある.一方,骨からも種々の分泌因子(オステオカイン)が分泌されており,骨格筋量の調節や糖代謝などに関与していることが知られるようになってきている.これらのマイオカインやオステオカインの変化もサルコペニアの原因となり,またサルコペニアによるマイオカインやオステオカインの分泌変化がさらにサルコペニアの病態を悪化させる要因ともなっていると考えられる.
「KEY WORDS」サルコペニア,糖尿病,骨粗鬆症,マイオカイン

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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