副甲状腺機能低下症の治療にはさまざまな理由から副甲状腺ホルモン(PTH)による補充療法は行われておらず,代わりに活性型ビタミンD製剤が用いられている.この治療ではPTH不足の病態で尿細管におけるカルシウム再吸収促進作用が代替できないために高カルシウム尿症をきたしやすく,長期治療による腎尿路系の石灰化や軟部組織の異所性石灰化などの合併症が問題となる.PTH製剤による新たな治療法が期待されている.
「KEY WORDS」副甲状腺機能低下症,偽性副甲状腺機能低下症,カルシウム感知受容体,活性型ビタミンD,PTH