特集 ビタミンDとカルシウム・リン代謝 update
              
 特集にあたって
                  掲載誌
                
 
                  THE BONE
                  Vol.30 No.4 15-16,
                  
                    2017
                  
 
                    著者名
                  
  
                          大薗 恵一
                        
 
                    記事体裁
                  
  
                          抄録
                        
 
                    疾患領域
                  
  
                          代謝・内分泌
                        / 
                          骨・関節
                        / 
                          小児疾患
                        / 
                          栄養管理
                        
                    診療科目
                  
  
                          整形外科
                        / 
                          糖尿病・代謝・内分泌科
                        / 
                          小児科
                        
 
                    媒体
                  
 
                      THE BONE
                    
 ビタミンD欠乏性くる病は19世紀から20世紀にかけて,多くの乳児が罹患するcommon diseaseであった.日光照射と肝油が有効であることがわかり,肝油の中からくる病治癒成分としてビタミンDが1920年代に同定された.その後,積極的に日光を浴びたり,肝油を摂取したりすることでビタミンD欠乏症は激減した.しかし,天然型のビタミンDの摂取では治癒しないくる病(低リン血症性くる病およびビタミンD依存症)が存在することが示され,ビタミンDの体内での2段階の活性化(水酸化)過程やビタミンD受容体の存在が証明された.その後,これらのビタミンDの代謝酵素の精製やクローニングが行われ,ビタミンD受容体の転写因子としての作用機序などが明らかにされ,活性型ビタミンDの薬剤としての開発がなされた.これらの進歩に日本人の貢献は大きい.現在,ビタミンD自体は栄養素であるが,活性型ビタミンDはホルモンとして作用すると考えると,ビタミンDの生理的役割を理解しやすいと考えられている.
          ※記事の内容は雑誌掲載時のものです。