FGF23は,腎臓,副甲状腺に特異的に発現しているKlothoタンパクとともにCKD-MBDの進展にかかわる.またFGF23,Klothoがそれぞれ単独でCKD-MBDや心血管系に影響を及ぼすことも明らかになりつつある.しかし,リン負荷の増減がどのようにFGF23の調節にかかわるのかというリン感受性機構は全くわかっておらず,今後の課題である.
「はじめに」腎不全に伴う骨病変は古典的に腎性骨異栄養症(renal osteodystrophy:ROD)として認識されてきたが,国際腎臓ガイドライン機構(Kidney Disease Improving Global Outcome:KDIGO)により全身性疾患としての概念である「慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常(chronic kidney disease-mineral and bone disorder:CKD-MBD)」が提唱され1),心血管イベントの抑制など生命予後の改善が治療の主目的となった.
「key words」FGF23,Klotho,CKD-MBD,hyperphosphatemia,PTH