筋・骨格系の組織発生・分化は個別に研究が進展し,それぞれの組織の発生由来や細胞系譜,分化誘導シグナル,分子レベルでの分化メカニズムの知見が集積されてきた.一方で,これらの組織を統合して,解剖学的に正しい位置に配置し機能ユニットとしての筋骨格系を成立させる機構に関しては,依然,不明な点が多い.最近の知見から,筋・骨格を結ぶ結合組織とそこに発現するHox遺伝子群が,筋・骨格系の統合パターニングに重要であることが明らかになりつつある.
「Hox遺伝子群と骨格パターニング」Hox遺伝子群は,進化的によく保存されたホメオドメインをもつ転写因子の一群をコードする.最初は,ショウジョウバエで発見されたが,脊椎動物にも同様の遺伝子群があることが明らかとなった1)-3).羊膜類である鳥類や哺乳類では,39個のHox遺伝子群が,4つのクラスター・グループ(A~Dクラスター)に分かれて,それぞれ異なる染色体上に存在する(図1A).
「key words」筋,腱,骨格,メカニカルストレス,Hox遺伝子群
「Hox遺伝子群と骨格パターニング」Hox遺伝子群は,進化的によく保存されたホメオドメインをもつ転写因子の一群をコードする.最初は,ショウジョウバエで発見されたが,脊椎動物にも同様の遺伝子群があることが明らかとなった1)-3).羊膜類である鳥類や哺乳類では,39個のHox遺伝子群が,4つのクラスター・グループ(A~Dクラスター)に分かれて,それぞれ異なる染色体上に存在する(図1A).
「key words」筋,腱,骨格,メカニカルストレス,Hox遺伝子群