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特集 筋と骨

2.組織幹細胞からみた筋と骨の加齢変化

Adult stem cells contribute to tissue aging?

張礫丹深田宗一朗

THE BONE Vol.29 No.3, 27-31, 2015

わが国において平均寿命と健康寿命には約10年の隔たりがあり,健康長寿立国実現のためには「運動器の質・量の維持に関する研究」が極めて重要度・注目度の高い課題となっている.運動器は骨-腱-骨格筋の連続性をもった組織集合体であり,どの組織一つに異常があっても運動器としての機能は損なわれる.骨格筋の場合,ヒトでは30歳を過ぎると10年ごとに約5%前後の割合で筋量が減少し,60歳を超えるとその減少率は加速することが報告されている.一方,骨も加齢による変化を受ける組織である.健康寿命延伸のためには,骨格筋・骨などの運動器を一つの器官と捉え俯瞰的・包括的に研究を推進する必要が強く求められているが,現状では満足するレベルには達していない.本稿では骨・骨格筋の組織幹細胞・前駆細胞に焦点を絞り,それぞれの組織幹細胞,前駆細胞が骨・骨格筋の加齢性変化に及ぼす影響について最新の知見を交えて紹介し,最後に骨格筋幹細胞が骨組織に及ぼす影響および,骨・骨格筋の共通制御因子の存在の可能性について紹介したい.
「key words」筋衛星細胞,間葉系前駆細胞,エイジング,再生,運動器

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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